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2022.03.15
建設現場では様々な工種が絡みあい、現場全体としての工程はとても複雑になります。それぞれの工種における工程は簡素であればあるほど管理しやすく品質も良いものが作れます。
作業工程が簡素であるということは、現場管理上とても大事なポイントとなります。
「コンクリート防水」の工程はとても単純で分かりやすく、全体工程への組み込みも容易です。
そんなスマートでスムーズな「コンクリート防水」を採用してみてはいかがでしょうか?
【コンクリート打設にまつわる4つの段取りを学ぼう】
「生コンクリート」は建築材料の中でも特に管理の難しい材料の一つです。
その理由は名前の通り、「生もの」だということです。生コンクリートが「生もの」であるならば、コンクリート打設は「料理」、当社工法は「調味料」といったところでしょうか。
生コンクリートは構成する材料が多く、それを打設するとなれば必要な道具や、関わる工種、管理基準などは多種多様で、その工程も複雑です。さらにそれらを失敗なく1日の内に完了させなければいけません。
生コンクリートを滞りなく打設するには「よく練り込まれたレシピ」が必要となります。
以下、そのレシピを作成するにあたり押さえておくべきポイントをご紹介します。
①コンクリートの配合について
普通セメントの使用する場合は目標とする設計強度にもよりますが、スランプなど施工性を確保したうえで余分な水分を少なく計画する。
単位水量を減らす方法としては混和剤の使用、粗骨材を大きくしたり、細骨材を小さくする。
②コンクリートの打設計画について
ジャンカやコールドジョイントの発生が無い様に打設計画を立てる。無理のない打設順序や人員配置、打設速度、材料の納入ペースを計画する。直前では取り返しがつかなくなることが多いので、コンクリート打設について事前に確認、対策をする事が生じた場合(湧水対策、打継ぎ箇所、工程などなど)は、早めに質疑/協議を行う。
③コンクリートの打設について
打設計画の事前/当日周知をし、問題となりやすいポイントなどについて説明や指示を行う。
例)ジャンカが出来やすい部分
・段差吹き出し部
・配筋が密になっている部分
・排水溝/ドレーン周り
・打ち込み配管周り
④コンクリートの養生期間や型枠の脱型後について
型枠の脱型、支保工の解体は国土交通省の基準を前提とし計画する。また、スラブは散水養生等で適度な水分を保ちひび割れ防止の措置を講じる。
型枠脱型後は清掃・片づけを早めに行い、釘や鉄筋の残材などで発錆がないようにする。また、打ち放し部分などは養生材にて養生を行いキズが付かないようにする。
【事例と対策】
生コンクリートの打設は「チームワーク」です。
現場打ち生コンクリートは建材として素晴らしい性能を持つ材料の一つです。
しかしながら、建材の中でも不測の事態が起こりやすい材料の一つでもあります。
なぜなら半分は工場製品でありながら現場に着いてから残り半分を作る作業があり、関わる業者の種類も数も多く、そしてほとんどの打設が当日一発勝負というものです。
そこに係る全てのモノや人が良い仕事をしなければ、品質低下や品質事故は免れません。
特にジャンカやコールドジョイント、クラック(ひび割れ)は漏水事故に直結しますので、
いくつかの事例をもとにその原因について対策をしましょう。
▼意外にやりがち!な計画編
大切なことなのでもう一度言いますが、生コンクリートの打設は「チームワーク」です。
そこに無理のある人員配置や打設機器の不足があると性急な施工によるジャンカの発生や作業の遅れによるコールドジョイントの発生などの品質低下を起こしやすくなります。
各施工業者と協議のもと無理のない施工計画を立てましょう。
降雨を伴う生コンクリートの打設はコンクリートに様々な品質低下を生じさせます。
生コンクリートへの雨水による加水はコンクリート強度の低下を引き起こします。表面の雨打たれはセメント分が洗い流され骨材の露出や仕上げ不良を引き起こしクラック(ひび割れ)を誘発します。また、継続的な降雨は打設中のコンクリート中に水道(みずみち)を生じさせ、後に漏水事故を引き起こします。
天候は生コンクリートと同様に管理しづらいものではありますが、コンクリートの品質に重大な影響を与えるものと認識し計画と対策を練る必要があるといえます。
生コンクリートは「生もの」と言いましたが、生コンクリートは時間が経てばどんどん反応が促進され様々な品質の変化が生じ、やがて硬化していきます。
そのような品質の変化によるコンクリートの不良を防ぐため「生コンクリートの運搬・使用時間」はJIS規定やJASS5、コンクリート標準示方書などにより規定されています。
品質の変化し過ぎた生コンクリートの打設は、ジャンカやコールドジョイントなどの打設不良を引き起こし、やがて漏水事故へと繋がっていきます。
打設計画に合った生コンクリートの納入ペース配分や、より近場の優良生コン工場の選定を行いましょう。
▼意外にやりがち!な施工編
①コンクリートが入り込みにくい部分のジャンカ
コンクリートが入り込みにくい部分はもちろんジャンカが出来やすいですが、その原因はバイブレーターでの締固め不足や型枠の叩き・確認不足、生コンクリートの打設速度が速すぎるなどが挙げられます。
ジャンカの出来やすい部分は、壁の最下(打ち継ぎ)部や打ち込み配管周り、段差吹き出し部分などがあります。型枠の形状によってもコンクリートが入り込みにくい部分があるでしょう。
不良の出来やすいポイントを全体に周知・共有し、「チームワーク」で良いコンクリートを打設しましょう。
②止水版の設置不良と作業ごみや土の混入
打ち継ぎ部分のコンクリートの品質は特に防水性能に直結します。
地下水位がある地下壁においては、打ち継ぎ部分が最大の水道(みずみち)となるからです。
その打ち継ぎ部分に設置した止水版の倒れや破損などの不良、おが屑や木片、土などの混入があると打設不良を引き起こし直接の水道(みずみち)となってしまい、それが打継ぎ部全体に及べばその防水・止水工事はより困難なものとなり、防水品質の確保も難しくなってしまいます。
コンクリート工事は生コンクリートを打設する前から始まっています。関係ないと思われる工種においても不用意な行動が漏水事故を引き起こす場合もあり、コンクリート全体の品質向上の為にも型枠の中にはモノやゴミを落とさないよう注意しましょう。
③不十分な金鏝押え
当工法においては生コンクリートの打設後のスラブ面は金鏝押え(2回以上)をお願いしております。大きな理由としてはクラック(ひび割れ)防止と摩耗性能の向上があります。
いわゆる「防水下地」や「木鏝押え」と呼ばれる、1回押えではクラックが入りやすくコンクリート表面の品質は粗雑なものとなってしまいます。クラック(ひび割れ)は漏水事故に直結し、コンクリート表面の品質不良は長期的なコンクリートの耐久性も下がってしまいます。
生コンクリート打設後の金鏝押えはコンクリートの性能を高める上でも非常に重要なものです。
仕上げ下だからといってコンクリートの押さえが不十分にならないよう、金鏝押え重要さについての周知と打設計画が必要になります。